インディアン・テントに泊まる、というスタイル
体感することによって誕生した感覚に向って、さらに体感していく
まさに新しい感覚が創り出される素晴らしさ



Tipi Camp. Experience what was natural to the Aboriginal people of the North American Indians many moons
ago.

これからイッキに暗くなるだろう、しかしまだ夕方と呼べる時間にサイクルヤ!に到着する。650のエンジンを切って、とりあえず辺りを見渡す。奥に見えるTIPIの上から煙が出ていて、その前に旧いヤマハとTRIUMPHが停まっている。仲間のオートバイだから、自然に顔がほころぶ。右下のTIPIの前には、HARLEY-DAVIDSONのSPORTSTERが2台見える。
コッフェルを手に持った友人がひょっこりとTIPIから出てきて、お互いここまでの出来事を軽く話す。そこへオーナーのコヤマさんが、やって来る。ヒョウヒョウとしてユーモアたっぷりな彼は、ここのオーナーらしく、ネイティブアメリカンを感じさせる風貌だ。そんな彼に相応しいカスタムが施されたHARLEY-DAVIDSONのオーナーでもある。
シュラフと振り分けバッグを持って、TIPIの中に入る。すでに薪には火がついている。この火力と、4,5人ぐらいだったら豪勢な食事の準備が余裕で出来るTIPI内の広さは嬉しい。大きな鍋なども無料で借りられるから「オートバイの人」にはさらに嬉しい。地元のスーパーアオキで買出しした食材で試行錯誤な料理を皆で食す。ビールやワインを片手に気の合う仲間達とオートバイや旅の話をしながら、そんな素晴らしい夜が更けていく。
真夜中に、ふとTIPIの外に出てみる。真っ暗な果樹林の中に白いTIPIがやわらかく灯っている。傍らで相棒の旧いヤマハが、夜露に濡れ静かにたたずんでいる。TIPIの上に淡く丸い月が出ていて、なんともいえない心地よさだ。TIPIの中へ戻り、薪をくべる。「パチンッ」と時おりはじける音を聴きながらユラユラと揺れる炎を ただ、見ている。
オートバイあるいは自動車での遠出による宿泊のカタチとして「インディアン・テントに泊まる」というのは、今までに無いスタイルだ。新しいスタイルが全て偉いとは思わないが、最も難しいことは今までに無い感覚を創り出していく事だと、僕は思っている。さらにこの円錐形のテントには、オートバイに乗って刺激された感性をまとめ、静かに納めてくれる何かがある。ひとことで言えば、落ち着くのだ。インディアン・テントに月夜はかなりいい気持ち。しかも果樹林の中なんだゼ。炊事場&トイレもバッチリ。コンナダカラここのTIPIは女性にもオススメ。新しい感覚を提供してくれるサイクルヤ!のオーナー、コヤマさんに感謝。
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